【展覧会概要】
木津文哉教授は1985年に東京藝術大学絵画科油画専攻・修士課程を修了した後、兵庫教育大学の勤務を経て、1999年から25年にわたって東京藝術大学大学院美術教育研究室に勤務。油画専攻時代から現在に至るまで、作家として作品制作を続け、ものを作るという基本理念のもと、美術教育の世界に大学の教員という立場で関わって参りました。学外との連携授業にも数多く携わり、その中では常に作家という視座から教育に関わることを重視されてきました。
作品制作においては、2次元の絵画の中での独特な空間世界の構築を長年追及されており、「だまし絵」、「トリックアート」などと呼称されることもある、他にはあまり見られない作風を追い求め、その姿勢は今後も継続していくことになるでしょう。今回の退任展では、学生時代・藝大入学後の習作、修了後の白黒時代の作品群、不思議な浮遊感を観るものに感じさせる作風の展開を、グループに分けて展示いたします。絵画作品以外では、各種メディアに紹介された出版刊行物や、雑誌の装丁・文章など、本画以外の展示も行い、木津文哉の仕事の軌跡を各方面から感じていただける展示になっておりますのでぜひ御高覧ください。
なお同時期に藝大アートプラザにおいて、木津文哉が26年継続して制作しているカレンダーの原画等の小作品展も同時開催いたします。そちらもご高覧賜りますようここにご紹介いたします。
【会期】
2024年11月16日(土) – 12月1日(日)
午前10時 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
【会場】
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2
観覧料 無料
【主催】
東京藝術大学美術学部
【協賛】
Hirano Art Gallery、丸八不動産グループ、日動画廊、笠間日動美術館、株式会社タミヤ
【助成】
東京藝術大学美術学部杜の会
【その他】
展覧会会期中アートプラザにて、木津文哉カレンダー原画展、およびグッズ展示販売を行います
木津文哉教授 退官特別講義「制作と教養のハナシ −思考のプロセス− 」
本研究室では、木津教授の退官の特別講義を公開いたします。どなたでもご聴講いただけますので、ぜひご参加くださいますようご案内申し上げます。
内容:本講義は、東京藝術大学における「構成論」を長年担当されてきた木津文哉教授の特別講義となります。「構成論」は、東京藝術大学の大学院修士課程の必修科目として、美術制作に関わる専門知識のみならず、創造という観点から、既存の作家に見られる創造の原点や作品の生まれる経緯を解説し、それらを視覚資料を通して確認してきました。また、講義を通じて、作家の教養とは何か、その知識の広がりについても議論が行われており、学生との意見交換を交えながら制作過程の意義を探求してきました。今回の特別講義では、木津教授がこれまでの講義で取り扱ったテーマの総括を行い、技術や専門性の習得はもとより、一見、関係無く思える他分野の事像も作品制作や教育において独自の考え方の構築にはたす役割は大きく、それらを改めて深く考察する講義を展開します。是非、ご参加ください。
【日時】2024年11月26日(火) 13:00-16:10
【場所】東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2(一般公開)
※事前予約の必要はありません。当日会場にお越しください。
※オンラインでの配信ありません。