東京藝術大学
美術教育研究室

卒業生の医科歯科大学奨励賞受賞作品が寄贈・展示に

 平成28年度 東京藝術大学卒業・修了作品展で東京医科歯科大学教養部奨励賞を受賞された、美術教育の修了生 中村望起子さんの作品『時の記憶』が、市川市中央図書館へ寄贈・公開されました。
 本作品は2017年から2022年3月まで千葉県市川市国府台にある教養部キャンパス・ヒポクラテスホールに展示されていました。
 その後、2022年4月から同市内の市川市中央図書館へ寄贈、作品は図書館の一室に展示されました。図書館利用者の方は自由にご覧いただくことができ、作品の様々な素材や質感を間近で見ることが可能です。
 お近くにお越しの際は、どうぞお立ち寄りください。

市川市中央図書館サイト

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【作品概要】

『時の記憶』
中村望起子[山内望起子] (美術教育 修士)
アクリル絵具、アクリル樹脂、大理石粉末、砂、土、寒冷紗、パネル
H194 x W259 x D5 cm

【所蔵・展示場所】

市川市中央図書館ヤングアダルトルーム

【「時の記憶」の制作について】

 「時」という言葉の意味の一つに、過去から現在、現在から未来へと滞りなく流れゆく現象があります。
 作品に描かれているのは古代の化石アンモナイト、それを囲むように小さくキラキラと輝くものは、時計の内部に使用されている真鍮の部品です。これは時間を表しています。下地には私の出身地である沖縄の砂を混ぜ、ザラザラとした質感を出しています。幼少期に何度も訪れた海の記憶です。懐かしい記憶とそれを見つめる現在の自分、そして上下に広がる白く淡いレリーフは未来を表しています。
 この作品は、砂を混ぜる、時計の部品や樹脂を貼る、画面を削るなどの様々な技法と素材が使われています。視覚的な要素だけではなく、触覚的にも訴えかける作品として描かれています。

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